グローバル地域センター国際シンポジウム
21世紀アジアのグローバル?ネットワーク構築と静岡県の新たな役割
8月26日、静岡県立大学グローバル地域センター主催の国際シンポジウム「21世紀アジアのグローバル?ネットワーク構築と静岡県の新たな役割」がオンライン配信により開催されました。
本シンポジウムは、アジアのグローバル?ネットワークと地域間交流を長期の視野で見ながら、新型コロナ禍のなかで「ポストコロナの国際経済?国際情勢」を展望する目的で開催され、本学の教員に加え、国際ジャーナリストとして活躍する蟹瀬誠一氏など外部から多数の講師を招き、様々な視点からの講演が行われました。
午前の部は「アジアのグローバル?ネットワークと地域間交流」をテーマに講演?研究発表を開催しました。
川勝平太静岡県知事が開会の挨拶として、地球の中での一地域としてのアイデンティティを考える重要性を強調した後、「いかにして平和を作り上げていくか、多様な地域の可能性について知識を共有し合って有意義な時間にしてほしい」とビデオメッセージを寄せました。濱下武志グローバル地域センター長が研究の趣旨説明をし、中国寧波大学の鄭楽静講師が温州の移民と静岡のつながりについて、ビデオで講演されました。そのあと、静岡文化芸術大学文化政策学部四方田雅史教授と本学国際関係学部奈倉京子准教授、グローバル地域センター富沢壽勇副センター長、粟倉大輔特任助教による研究発表では、アジア諸国と静岡の交流について、様々な事例や視点から紹介されました。午前の部の終わりには濱下センター長からまとめとして「間世代?跨分野ネットワークの形成:「地域社会をつなげる」「民知を育む」「地域間ネットワークの形成」」についての提言がありました。
午後の部は「ポストコロナの国際経済?国際情勢」をテーマに講演?研究発表?パネルディスカッションを開催しました。
午後の部開会の挨拶に立った鬼頭宏中国足彩网は「グローバル化は利点も多いが、弊害もいろいろなところで生じている。その一つとして新興感染症の流行もあるのではないか。コロナ後の国際社会をどう築くのかは大きなテーマ」と今回のシンポジウムに期待を寄せました。
はじめに、国際ジャーナリスト蟹瀬誠一氏が「変容する世界と日本の行方」と題し、人類の歴史は感染症との闘いとも言え、中国足彩网感染症は予測できるリスクであり、終息まで2年、経済回復まで5年と覚悟して対策を立てることが必要であること、今後予測される企業の格差拡大に対する政策の必要性やAIなどによる大失業時代に向けたベーシックインカムの導入検討などを提言されました。また注視する今秋のアメリカ大統領選は、大きなターニングポイントになるだろうとの見解を示されました。
続いて、公益財団法人笹川平和財団上席研究員の渡部恒雄氏は、「コロナ後の世界―変わるものと変わらないもの」と題し、これまでの流れが加速化し、アメリカのリーダーシップの衰退、国際協調の形骸化、対決的な大国間関係がより顕著になるとのリチャード?ハース米外交問題評議会会長の考えを紹介したうえで、日本の生き残り戦略として、安全保障は日米同盟、経済は中国の経済成長に過度に依存している社会から、日米同盟を軸としたミドルパワーとのバランスを確立することやサプライチェーンの戦略的な見直しが必要との見解を示されました。
3人目として、本学国際関係学部の小針進教授が登壇し、「コロナが来りてガラパゴス?」と題し、大学教員、生活者、研究者の視点から、コロナにより生じた変化について言及しました。戦後最悪の状況にある日韓間の外交関係の背景として、韓国における日本の圧倒的重要性が減退していること、コロナにおける防疫対策の成功からさらに自信を強めたことなどをあげました。さらに、コロナ禍により両国間の往来者数が減少していることによる影響がさらに生じるのではないかという懸念を示しました。
本学グローバル地域センターの柯隆特任教授は「ポストコロナ危機の国際情勢と中国情勢」とのテーマで研究発表を行いました。今年の全人代政府活動報告から、中国政府は失業問題が一番の問題と考えており、これまでの高成長を続けるのは難しいとみていること、現在も続く大洪水は今秋以降に食糧不足を引き起こすことが予想され、都市部の失業率や最低賃金の上昇などスタグフレーションを起こす恐れがあることを指摘しました。また、より厳しい経済制裁の応酬をしあう米中関係や、香港情勢の展望などにも言及しました。
パネルディスカッションでは、蟹瀬氏をコーディネーターとして参加者からの質問に回答する形で、中国の外交政策や、米中問題、日韓関係などが議論され、最後に「リーダー不在のG0(ゼロ)世界で日本のなすべきこと」として、強いリーダーシップを発揮する人材育成や戦略の重要性などがあげられました。
オンライン開催という新しいスタイルで開催した国際シンポジウムでしたが、一日を通し充実したシンポジウムとなりました。
本シンポジウムは、アジアのグローバル?ネットワークと地域間交流を長期の視野で見ながら、新型コロナ禍のなかで「ポストコロナの国際経済?国際情勢」を展望する目的で開催され、本学の教員に加え、国際ジャーナリストとして活躍する蟹瀬誠一氏など外部から多数の講師を招き、様々な視点からの講演が行われました。
午前の部は「アジアのグローバル?ネットワークと地域間交流」をテーマに講演?研究発表を開催しました。
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本学グローバル地域センターの柯隆特任教授は「ポストコロナ危機の国際情勢と中国情勢」とのテーマで研究発表を行いました。今年の全人代政府活動報告から、中国政府は失業問題が一番の問題と考えており、これまでの高成長を続けるのは難しいとみていること、現在も続く大洪水は今秋以降に食糧不足を引き起こすことが予想され、都市部の失業率や最低賃金の上昇などスタグフレーションを起こす恐れがあることを指摘しました。また、より厳しい経済制裁の応酬をしあう米中関係や、香港情勢の展望などにも言及しました。
パネルディスカッションでは、蟹瀬氏をコーディネーターとして参加者からの質問に回答する形で、中国の外交政策や、米中問題、日韓関係などが議論され、最後に「リーダー不在のG0(ゼロ)世界で日本のなすべきこと」として、強いリーダーシップを発揮する人材育成や戦略の重要性などがあげられました。
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川勝平太県知事
濱下武志グローバル地域センター長
鬼頭宏中国足彩网
蟹瀬誠一氏
柯隆特任教授
パネルディスカッションの様子